不思議少年はかく語る



中央にこたつがあり、隅に茶箪笥やら囲碁盤。和風チックなのは外観だけでなく中身までそうだが。


「パソコン……」


現代アイテムとは縁遠い部屋の隅に設けられていたそれが、ひどく浮いて見えた。


カラーはエスプレッソブラック。23インチ画面のデスクトップパソコン。最新らしいのが見てとれる。


「パソコン使えるんだ」


「こんな格好をしていますが、それなりにできますよ」


「……、レトロな格好とは分かっているんだ」


「僕はこれが好きなんですよ。よく“馴染む”ものでしてね」


黒マントを脱いで、壁に取り付けたらしいハンガーフックにかけた。


詰襟学生服になるわけだが、校章もなくどこの学校にもないタイプの制服だ。


独特の趣味はコスプレにも近いが、不思議と渉が着ると確かに“馴染む”ものだった。