本当に分からない少年だと好美は思う。
マントで隠れているから断定はできないが、小柄な背中を見続けて――ふと、渉が進路を変えた。
前を歩いていたのが突然左へ。
渉の横顔を見たあとに、好美は渉の視線の先を見た。
「うわ……」
鬱蒼としげる木々の間。
緩い傾斜に石の階段があったのだ。
低く細かい段差は二段越えどころか三段越えができ、幅も大人三人は寝そべれるような広さだ。
神社か寺がありそうな、階段は山林の上へと向かっていて、終着点であろう場所からは淡い灯りが見えた。
明かりというより灯り。気を抜けば闇に呑まれそうなほどか細く見えた。
「足元、気をつけてくださいね」
「うん」
暗がりでも、夜目がきいたか分からないが、視認ができた。


