好美が住む同じ町内なんだろうが、もうここいらは好美にとって知らない土地だ。
住宅地を抜けて、山林で横道が成り立つ通りを歩いている。
肝試しには持ってこいなスポットにも見えた。
「あと、どれくらい?」
「すぐですよ」
不安から聞けば、安心する答えが出たが同時に疑問もあった。
――こんなとこに?
道路という人工物があっても、あとは自然ばかり。電柱もなく、いくつかの外灯があるだけの場所はとても家があるとは思えない。
電球が寿命だったのか、ちかちか点滅する外灯を過ぎたあたりで、渉がこちらを振り向く。
「言っておきますが、僕の家の場所は誰にも教えないでください」
「あ、うん」


