「で、でもっ、他のが……!」 「なんだか拐(かどわ)かすようで嫌なんですが、ここで見捨てるのは僕の寝覚めが悪くなりますね」 やれやれとは言わないが、それに近いため息を渉は出した。 「家――僕の家に来てください。そうして一晩泊まってくれればいい。今のあなたにとって、“一番安全な場所”ですから」