不思議少年はかく語る



「河川敷で……1km行くか行かないかくらい、多分……。でもその後に電話鳴って、取らずに出てきたから」


「ふんふん。やはりメリーさんは相手が電話に出なければ、移動はできないのかな」


独り言か、いつの間にか出したペンで、手帳に何かを書いていた。かりかりと音がする。


「出入り口――玄関以外から逃げるは、こちらに来るメリーさんに鉢合わせないための『念に』しても、1kmの猶予があれば可、ですか……。ああ、それと――」


ペンの動きを止めて、渉は思い出したように好美と目を合わせる。


「逃げているとき、僕を“目標”としましたか?」


「も、目標っていうより……渉君しか頼れないって」


言いながら恥ずかしくなったか、好美は目を下に向けた。