淡々と教師みたく話す渉には、何だか落ち着きを移されたようだった。
渡されたハンカチで涙や鼻水を拭き、洗って返さなきゃと現実的なことをこそりと考えるあたり、だいぶ冷静になったらしい。
「外でメリーさんに襲われる話はありませんが……。因みに、どこから出ましたか?」
「え……、げ、玄関から……」
「逃げる時は家の出入り口以外からなんて噂もあるんですが、ええと、メリーさんは最後に何を――ああ、いや、家からどれぐらい離れた位置にいたか教えてもらえますか?」
「位置?」
「メリーさんがいると言った地点からあなたの家の距離、おおよそでいいので教えてもらいたい」
「その……」
最後の電話は河川敷だ。だが、あの後にも電話は鳴った。


