不思議少年はかく語る



「でん、わっ……!めりっ、てっ!」


「ああ、ええと」


あやすのは慣れてないらしく、とりあえず渉はポケットから黒いハンカチを出して、好美の目を優しく拭いた。


慰めるつもりだったが、優しさはより安心感を産んで、助かったんだと無事なことに好美は更に泣いた。


「っあ、うう……」


「どおどお。とりあえず、落ち着いてください」


それは決して人間ではなく馬をいさめるセリフだが、頭を撫でられては文句は出ない。


ひとしきり泣いたあとに、好美はやっと、聞き取れる言葉を出した。


「メリー、さんが……でん、わ、を……」


ひっくひっくとしゃくり混じりだが、最初と比べれば分かりやすい。


分かったことに渉はへえと呟いた。