意を決したと言っても、恐る恐るびくびくとドアを開ける。
数センチあるほどの隙間から外を見て――誰もいないのを知るなり、好美は飛び出して駆け出した。
向かうは渉が向かった方角だ。幸いにも、学校とは真逆で、学校から家に来るであろうメリーさんと会うことはないと一抹の安心はあったのだ。
もっとも、獅子に追われるような走りはスピードを落とさないが。
――渉君に、はやく、はやくはやく!
息を忘れるほど走り――逃げに没頭した。
靴底がいつもよりすり減っているようにも思える。
力強く地を踏んでは跳ねを繰り返したせいか、足が痛くも感じられた。
まさかこの短時間に全力疾走を二度もするとは。言い換えれば、危機的状況が連続して起こった方が異常だが。


