外を見る分にはメリーさんらしき影はない。
「っ、ふっ、うぅ……!」
壁に手を置きながら、何とか立ち上がる。
賭けにも近かった。にして、もう限界だった。
鳴り続ける電話。
迫り来る恐怖。
ただ死刑を待つ身になれば、この場から逃げ出したくもなる。
メリーさんの話の結末は、家で起こることだ。
外に出たらどうなるかは聞いたことがない。
助かるかもしれないし、鉢合わせるかもしれない。
五分五分だが、100%助からないで待つよりは、十分に輝いて見えた選択だった。
目をこすり、鼻水をすすり、深呼吸をして、好美は玄関まで行った。
靴を履き、ドアに耳を押しつける。音はなく、誰かがいる気配もない。


