たった一人の家族。父はきっと信じてくれると、好美は抜いた電話線を繋いだ。
しゃがんだ姿勢。
そこから動けなくなる。
リリリリ、リリリリ――
馬鹿だった。どうしようもなく後悔した。
「い、やぁ……」
頭を抱えて、泣きじゃくる。
鳴り続ける電話がまるで、警鐘のよう。
――誰か、だれ、かぁ。
そう助けを求めて、ふと、あの少年――渉のことを思い出した。
電話が使えない今、もう頼れるのは渉しかいない。
メリーさんに関しても、口裂け女を見た彼なら信じてくれるだろう。
問題は、どうやって助けを求めるかだ。
「うっ……っ!」
しゃくりをあげながら、窓を見る。
カーテンは今さっき帰ってきたばかりで、まだしめていない。


