結論からして――なかった。
メリーさんの話は聞くも、そこに対処法の話は出ていない。
好美が知らないだけかもしれないが、知らないならば“ない”のと同等。
好美に打つ手はなかった。
「や……やだっ、やだっ!」
悲鳴をあげてもなにもならない。隣人に助けを求めようにも、メリーさんが来るからと言って匿ってもらえるか。
好美こそがいたずらだと追い返されるだけだろう。
「おと……お父さん……!」
遠くにいる父がこちらまで一瞬にして来てくれるとは思っていない。
ただ、好美にとっての頼れる人は父親しかいなかった。
正義のヒーローではないが、娘たる自分を父は見捨てるわけもなく、誠心誠意伝えればメリーさんに関しても信じてくれるかもしれない。


