用件――いや、報告だけをして相手側から通話を終了した。
ツー、ツーの音。“向こう”にはもう何もないというのに、好美はしばらく受話器を置けなかった。
メリーさんの言葉がいけない。
学校から河川敷。それはこの家までの帰路の途中にあるもので、自分も通るではないか。
いたずらと済まされない理屈ができあがってしまった。
二回しか通話はしていないが、相手がこの家に向かっているというイメージが湧く。
イメージは笑う。
小さなお人形さんみたいな少女がにっこりと笑っていた。
「っっ……!」
受話器を置いて、電話線を抜いた。
メリーさんの対処法は分からない。
ただあるのは、『あなたの後ろに』という結末だけ。


