不思議少年はかく語る



(三)


姓を春夏秋冬。名を渉と名乗った少年は、どこか掴みにくい性格をしていた。


見た目からして礼儀正しくと思えば、大人びいている雰囲気があり、こちらをバカにしているようにも思える。


もっとも、それは好美の主観でしかなく、本人に至ってはバカにしているつもりはないだろうが。


知らない人に家の住所を知られるのは嫌だったが、あんな化け物に会った手前、突き放すどころか、家に送られた以降、帰る渉の後ろ姿には不安を覚えたものだ。


渉の不安ではなく、一人になった自身への不安。


口裂け女の噂に家の中に入ってくるという類いはないが、どうにもあの化け物がそこにいるんじゃないかと疑心暗鬼にかられる。


――ない。ないないない。