言い返しができずに、口ごもる好美を見てか、まあと少年は言う。
「今度から気を付ければいいだけですしね」
フォローのつもりが好美にとっては恐怖を駆り立てた。
――次って!
まるでまたアレに会うかのような口ぶりには、涙流す前にぎょっとする。
「大丈夫ですって。もうあなたは死にませんから」
「で、でも、対処法あっても……!」
「……。とりあえず、送りますよ。暗いですし、上手く歩けないみたいですしね」
旅は道連れではないが、乗りかかった船だと少年は好美に肩を貸す。
「申し遅れましたが、僕は、春夏秋冬(ひととせ)と言います。名は渉(わたる)です。名字でも、名前でも、好きなように呼んでください」
それこそ愛想よく、安心を産むような顔で少年は言った。


