「そっか」
右手で左腕を掴み、つま先を微かに地に擦った。
好美は人生最大の勇気を振り絞っていたのだ。
何せ、久々の“話し相手”。
独りでいた身に、渉は『もっと仲良くなりたい』と思える対象に思えたのだ。
もちろん、渉といる以上は怖いことが起こるかもしれない。だが、その度に渉は自分を守ってくれるだろうと安心もあったのだ。
「私も……渉くんと一緒にいていいかな」
言っちゃった、と目を固く瞑り、恥ずかしさが出てきた。熱も上がってきたようである。
「いいんですか。僕といると“本物”に出くわす確率が大きくなりますよ」
「渉くんに、協力したくて……。平日は学校終わったらやることないし、休日も暇だから……ダメ、かな」


