不思議少年はかく語る



一通り揉んで、下を向いていた目線をあげた。


河川敷を越えて、今、好美が歩いているのは住宅街である。

車二つ分やっと通れる道。歩道がなく、どこからともなく晩御飯であろう美味しそうな匂いが漂ってくるどこにでもある通りだ。


ただ、今日に限っては妙な胸騒ぎがした。


女の勘、虫の知らせ、言い方は様々だが、今は“そういった時”らしい。


ざわつく気持ちは、心拍を早めるほどではないが、何度か後ろを振り返る。


つけられているわけではない。胸騒ぎからか動物本能でも出たらしく、用心に物事を持っていってしまうのだ。


三度目の振り向きから、好美は立ち止まる。


後ろを向いて前を見た。


そうして、心臓が止まったかのような驚きを覚える。