今までの話からして、渉は決して好美を責めてはいないが、一人で騒いだことを触れられれば、なんだか縮こまってしまう。
「今までの話を全部覚えろとは言いません。ただ“都市伝説に振り回されない”でください。
そうして次に、“この家には、あなたに危害を与えるモノはいない”と頭に入れておけばいい」
要点をまとめたことは実に分かりやすかった。
口裂け女、メリーさんは会ってしまったにしろ、水子と隙間女は、今思い返せば確かに偏った思考に近かった。
恐怖は人を狂わす。
冷静な判断を欠いて、何もかも“怖いモノ”としていたのは好美自身だった。
「ごめん……」
とりあえずは、渉を信じず、騒いだことに好美は謝った。


