碁石と眼球を間違えたとはあまりにも納得できないが、怖くてまじまじと見ずに、それだと好美は早合点をしてしまった。
頭には検索した隙間女しかなく、見えぬ視線もあったからこそ、碁石が落ちていたというあり得ることを省いたのだった。
「視線が、あって……」
「気のせいという文字があります」
「でも、確かにっ」
「形がない、感覚でしか捉えないものが“本当にあるか”なんてはっきりさせることはできません。
ああ、今度、一人で部屋にいる時、何か読み物をしながら、“後ろにいる”と思い続けてみてください。
背中から胸に来るような、なんとも言えない感覚を味わい、見られていると強迫観念が芽生えますから」


