スプリングがギシッと軋むシングルベッドの上。 彼の唇が、指が、私の素肌を優しくなぞる。 「杏……可愛い」 耳元でいつもより色気があって擦れた声で囁かれ、私は瞳を閉じた。 熱いキスを交わして、抱き合って、お互いの愛を確かめ合う。 それは愛し合っていれば当然の行為なのだけれど… 「愛してるよ……」 「…うん……」 私が“愛してる”って最近言わなくなったのは 本当にあなたを愛し始めたから ……ではないのよ。 残念だけど。