ストリング ~スマイル500円


だらだらと仕事をした結果終電までかかってしまった。

本当に疲れた。

こんなんで今週乗り切れるかな?

はぁぁぁ。

真っ暗な帰り道、ため息ばかりが口をつく。

「おかえりなさい。お疲れ様、美樹さん」

暗闇の中圭吾が立っていた。

なんで、いるの。

怒りがよみがえり体が熱くなる。

「もう、話しかけないでって言ったでしょ。あんた、最低。私は金ズルになんてならないから、他を探して」

感情に任せて吐き捨てた言葉も聞こえてないみたいに、圭吾はいつも通りの笑顔を浮かべていた。

もうその手には乗らないんだから。


「これ、おつり」

私の前に差し出された手には100円玉1枚と10円玉2枚が載っていた。