身を引く兄にしがみつく。 暗くてわからないが、 きっと兄の顔は真っ赤だったろう。 「いい年して照れてるー」 茶化したひかりだったが、 「お前には言われたくないな」 「それどういう意味よ‼」 「怒らない怒らない」 「…」 一瞬の間のあと、 二人は笑った。 少し後ろで、 別の二人の笑い声も聞こえる。 「お兄ちゃん」 「ん?」 「今年もよろしくね」 「ああ、よろしく」 兄妹は肩を寄せ合う。 悲しい別れが、 待っているとも知らずに…。