ガチャ。 扉が開いた。 「俺、苦手なんだよ」 お兄ちゃんが言った。 「お世話になりました、とかさ」 私のお兄ちゃん。 「あれって反則だよな?」 私たちのお兄ちゃん。 「大丈夫、もう始まるから」 私は腕を引っ張り、れいちゃんと引き合わせる。 花嫁と兄のバージンロードだ。 「お兄ちゃん、私…」 「にしても、今日は寒いなぁ」 「私ね…」 「お前はすぐ風邪を引くから気をつけろよ」 「…」 「すぐ病院に行くんだぞ」 「…うん」 「なにか困ったことがあったら、帰ってこい」 「うん」