「死ね…。愚かな人間…。」





ガキン!と音が響いた。





「お前しゃべるのか…。」





ぎろりと目が動く。






「小僧、我の声が聞こえるか…。」





「あんた…。怪我してんな。」





ギリギリと詰め寄る。





「逃してやるから…。俺に殺られろ。」





「生意気な小僧だな…。」





「あんたの爪か牙が欲しい…。」





「ほぅ…。我と取引とは…。」





ブン!と剣が風を切る。





「この壁は簡単には壊れない。お前ごときに…。」





近寄りながら剣を提げる…。






「まぁみてろ…。それでどうする?」





炎のたてがみが走り抜ける。





「ふん…。我も長くはない。よかろう。」





わざとらしく叫ぶ…。






「来い!魔物!」






炎が走り抜ける。






ズバ!






魔物が倒れる。






「「おぉ!」」






「そこまで!」






だがアレクは剣に炎を集めた。





魔物をすり抜け闘技場の壁に衝撃波がいく。
ひびがはいり…。
その後に爆風が吹き荒れた。





クロウがルナの前に盾になる。





そこには何もなく壁に穴が開いていた。





「これは…。」






「クロウ…。闘技場の整備をしろ…。」





「ルナ様?」
目を細くして何かを考えているルナを見ていた。。





「承知しました。」






魔物が消失したため試験は終了になる。






廊下を歩いていたルナに走り寄る第三プリンセス、クォーレ…。






後ろを見ずにルナは
「クォーレ…。」






「ルナお姉さま、私あれが欲しい。」





ため息をつくルナ。






「いいよぅ。クォーレちゃんと面倒みなよぅ。」




「は~い!」
にっこりと笑う。





だがルナは微笑んだ。
「遊びはほどほどに…。」





ぎくっ…。やっぱりばれてた…。





「は~い!」






ひらひらと手を降り去るルナを見送った。






「お姉さまにはかなわないな。」





ばれないように火薬のタイミングを合わせたつもりだったけど…。






「騎士アレク·ロッソ…。」





アレクは知らない。まさか爆裂姫に引き抜かれたことを…。