「ちょっと!ルナ…。ひどい。」





バンバン!と肩を叩く…。この馬鹿力な妹よ!





「お姉さまは心配しすぎなのぅ。」





「そうかもしれない。」




ルナは細い切れ目を開けて言った。綺麗なサファイアが見えた。





「今日は…。私が取り仕切るから。息抜きしてぇいいよぅ。行った行ったぁ。」





「ルナ…。」





「まかしてぇ。」





ニコニコしながら背中をおす。





「ロゼッタ!」
ピュイ!と口笛を鳴らす。





「ルナ…。ありがとう。」





「おみやげよろしくぅ。」





ヒラヒラと手を振り会議に向かって行った。





私は…ロゼッタに飛び乗り風になる。





あの滝を目指して。





朝から矢のように走り去る。





誰も止めるものはいなかった。





もう、風になっていた。





もう誰にも止められない。





一直線にダイブ!





愛馬は遠回りでついてくる。





ザブザブ泳いでいた。
気持ちがいい。
プカプカ浮いていた。





「君って…。飽きないなぁ…。」





「!」





「ステラは面白い。」





「なんでここに?!まだいたの!」





本を読みながら、チラミで…。






「そうだけど。」






ムカつく!いや、何を私は…。落ち着け、あのドラゴンは違う!
外れものなんだから。





「風邪引かないようにな。」





なんでまだいるの?





ロゼッタの影に隠れて着替える。





グリーは本から目を放さない。





*******





「本日はオッキオ騎士団長、ルナが進行を務める!」





「ピュマータ、ムリーネ、ソンメルソの団長…。副団長諸君は前に。」
クローが言うとテーブルの前にはゆらゆらと炎が揺れている。





「真実の炎に集う!」×7




「それでは始める!」






「新人の入団試験にビィオレシアンを倒すことにする…。」





「あの化物をですか?」




「あれくらい倒せなくてどうする?西ノ外れの牢獄に封印されている。」




ごくりと喉がなる。





「決まりだな。」





炎は相変わらず揺れている。






「面白いごとになりそうだなぅ。」







しらない姫はその頃、にらみ合い中。