体に酒が巡ってくると、本日の反省と次回の作戦会議にも熱がこもってくる。 「新巻鮭のネタ、あんまり受けんかったなぁ。何が違ったんやろ?」 「ちょっと間の取り方が、おかしかったんちゃうか?あんたあそこで一瞬、頭真っ白になったやろ。『俺は新巻鮭かっ』ていう手前で」 「・・・ばれたか」 「メチャクチャばれとるよ!何年一緒にやってると思ってんねん。私には何でもお見通しや」 そう、異性ながら10年も苦楽を共にしてきた相方だ。 私には、聡介のことは何でもお見通しだ。 そのつもりだった。