風子仕様の恋模様。


色気かぁ…

まぁ確かにある訳ではないけど。
背は低いし童顔だし、明らかにそっち系ではないもんね。

でも風間に言われるとイラッとするな。



資料室はいくつも並ぶ部署から離れているので、近づくにつれどんどん人気がなくなってくる。

気づけば外は真っ暗で、静まりかえった廊下に自分のヒールの音だけが響く。


ようやく資料室にたどり着き中に入れば、紙の独特の香りが漂っていた。



「うぅぅん…久しぶりに来たけど、薄気味悪いとこだなぁ。」


ため息をひとつ溢し渋々中へと進んで行く。