その日は6月

梅雨真っ只中だったわ


霧雨が降っていてこの雨なら行けると思って、窓の外に咲くキレイなアジサイをじっくり見に外へ行ったわ


顔を近付けて花を見た

青がキレイで魅入ってしまっていたわ

そして私は気付かなかったのよ


音もなく

静かに

ぬめぬめとした生物が花まで這って行き

花の陰からいきなり姿を現したのよ

私はただただ固まってしまっていて……


次の瞬間

自分の部屋に向かって猛ダッシュしていたわ


「…それは…」


ただビックリしたのがトラウマになっているだけでは……


「……ナメクジなんて存在してはいけないのよ……」


遊羽の新たな一面を知ってしまった南糸であった

いや、知りたくなかった気もするけど...


「……いったいいつの話だったんだろ……」