Hamal -夜明け前のゆくえ-



「そういう大人に利用された子供とか、この街に居場所を求めて来る子供とかを、威光の大人たちは集めてたんだよ。片っ端から拾ってたとも言うかなぁ。なんて声をかけて引き込んでたかは知らないけど、結構な大所帯だったと思うよ。メンバーの組み合わせが毎回違くて、顔どころか身元も割れなかった」

「……」

「まあそれくらいしなきゃいけないくらい、恨みも買ってたってことだよね。同時に味方も大勢いたから、当時は拠点も頭もわからなかったんだろうけど」


話を聞きながら、クロはいつからこの街にいるんだろうって頭の隅で考えていた。


「とにかく威光はやばい怖いって噂ばっかり拡がってて、全貌が見えないグループだった。今も変わらずそうだけど、威光はもういないって気付いてる人は気付いてる。サイレンの音が減ったように、人も、店も、誰かに淘汰されることがぐっと減ったもの」


……威光。

闇夜の威光っていうグループはつまり、自警団みたいなものだったんだろうか。


僕は大人に声をかけられて、取り子や怪しいものを運ばされそうになったりしたことがある。


そういう大人を淘汰していたというなら、味方もいて恨まれることもあったというのはわかる。


なら、やっぱり恨まれて消されたってこと?


「……去年の秋、に……なにがあったかも知ってる?」


クロは驚いた。「わお」なんて感嘆の声まで上げた。