やっぱり変な街だ。
夜10時半を過ぎても僕みたいな子供が外を歩こうと、ご飯を食べていようと、誰も気にしない。
気にされても困るし、ちらっと見遣る程度はされるけど、周りからすればめずらしくもなんともないって雰囲気が、どうにも落ち着かなかった。
でも、歓楽街中心のギラギラした雰囲気よりは幾分マシかな……。
中華飯店は歓楽街の奥にあった。
派手な装いをした人達が通ることはほぼなく、会社帰りのサラリーマンや近所の人が馴染みのある食事処という感じだった。
言ってしまえば、地味。
ここから徒歩で30分も掛からない歓楽街の中心は、あんなに煌びやかで賑やかなのに。
道が1本違うだけで廃れているか栄えているかが変わるというのも不思議な話だ。
――『あのビルの裏に中華屋あるだろ。今度来るときはそこに行っとけ。向かう前に連絡しろよ』
朝、電話を切る前に祠稀がそう言っていたから僕はここにいる。
つまり僕は祠稀と待ち合わせをしているということで、祠稀は“戻ってこない日”が昨日で終わりだったということ。
パラパラの豚肉炒飯を半分以上食べ終わり、水を飲みながら携帯画面を見遣る。
まだかな。11時過ぎたら、電話してみようかな。
狭い店内の1番隅っこの席で、出入り口に背を向けて炒飯を口に運ぶ僕には色んな音が届いてくる。



