Hamal -夜明け前のゆくえ-



学校では敬遠されてそう。


なんてことを思ってしまうのは、太陽が昇りきった下で祠稀に会ったことがないからだ。


僕って本当、祠稀のことなんにも知らない。


尋ねたら教えてくれそうだけど、もし僕のことまで訊かれたら困る。


そんなことを懸念したって、きっと祠稀は『興味ねえ』くらい言ってきそうだと思えるのにな……。



親のことや傷のことを、誰にも話せないままでいる。


僕はどうしたって切り離せない大荷物のようなものを引き摺って、薄明かりを導にふらふらと歩いているみたいだ。



「……どうしよう」


どうせ顔の痣が薄くなるまで学校は休むことになるだろう。


せっかく外に出られたのだから、このまま帰るには惜しい。


少し考えたあと、おぼろげな記憶を頼りに夜道を歩いた。


歓楽街から徒歩20分ほどの場所にはアパートが密集している。社員寮のようなものも多かった。


記憶を頼りにとあるアパートを目指していたのだが、それは思っていた以上におぼろげで、そういえばあのとき下ばかり向いていたんだ、と今さらに困り果てていた。



この辺りだと思ったんだけどな。


ダメだ。アパートの形状も思い出せなければ、鈴さんの名字すらわからない。