Hamal -夜明け前のゆくえ-



深夜1時半過ぎ。公園の水飲み場で顔を洗ったあと祠稀の『家』に行ったが、いなかった。


煤けた廃墟ビルの3階。その一室にいつも祠稀はいる。


どちらかと言えば祠稀はいつも僕を迎えてくれる側で、僕が待っている側だったのは片手で数える程度だ。


また……“戻らない日”なのかな。


携帯を手に入れてから1週間以上経った。そのうち、今日を含んで会いに来たのは4回目。


以前クロが言い当てた『あと2日もすれば戻ってくる』という日から逆算して、祠稀は1週間いなくなると予想を立てたのだが、1週間前後と考えたほうがよさそうだ。


せっかく手に入れた携帯が宝の持ち腐れのように思う。


祠稀が携帯を持っていることを知った時点で連絡先を聞いておけばよかった。


どれくらいの頻度で“戻らない日”が訪れるのかわからないからこそ、早く連絡先を知りたいのに。



祠稀は普段なにをしているんだろう。どの辺に住んでいるんだろう。


停学中だと以前言っていたから、学校に通ってはいるんだろうけど……。


全く想像がつかない。


あの伸ばしっぱなしの髪をセットしてるところなんて見たことないし。


それに黒いマニュキアを塗って、口にピアスもつけて学校に行ってるかもしれないってことでしょ。


さすがにそれはないかな。学校ではちゃんとして――たら、停学にはならないよね。