考えたくない。
これ以上知りたくない。
だけど今朝、母さんを義父と同じ化け物だと認めた僕に、血路はなくて。
「……っ、う……っ」
無理に押さえ込んでいた呼吸も涙も、苦痛を孕んだものに変わった。
喉が痛くて、目の縁も熱くて。背中を丸めた僕の泣き声は小さいのに、顔を押し付けた拳はどんどん濡れていく。
わかっていたのに。だから認めたのに。
なにが、冷静だ。落ち着いているなんて勘違いじゃないか。
頭で理解して、心が追いついていなかっただけ。
どれだけ時間が掛かっても、僕はぼろぼろと涙を零したに決まってる。
だって僕を守ってくれる人がいないことが、こんなにもつらい。
ありのままの僕を愛してくれる人はいないことが、堪らなく寂しい。
僕はどうしてここにいるんだろう。どうして生きているんだろう。
愛してるふりをされている僕は、なにを思って耐え続けているんだろう。
「……っいやだ、……もうっ……」
何度そう思った?
何度そう、ひとりのときに呟いた?
届くわけがない。誰も聞いちゃいない。
悲痛な叫びは独白でしかなくて、そうして自分は本当にひとりなのだと思い知らされる。



