肩の痣まで見えていたとしたら、担任に示唆するようになっているのかもしれない。
怪我をしていたようですが、なにか御存じですか、とか。さりげなく。それとなく。
担任から連絡が入ったと考えれば、先ほどの母さんの言い方も説明がつく。
「年頃の息子と、取っ組み合いの喧嘩……」
そうか、あれは喧嘩なのか――…。
自分で零しておいて、そんな言い訳がまかり通ったのかと、肺腑を抉られる。
突如走ったその痛みにどうしてか両の手の平へ視線を落とし、瞬時に熱くなった目頭に拳を握った。
喧嘩で一方的に殴られることはある。
あるけど……あれは違う。絶対に違う。
年頃ってなに? 反抗期の年頃? そうだとしても、僕はそんな時期を迎えたつもりはない。
まだ中学2年生だよ。そんな僕で憂さ晴らしをしているくせに、気晴らしなんて……。
そうか。僕で憂さ晴らしができないから、気晴らしに飲みに行くのか。
視界に張った水分の膜が剥がれ落ちないように堪えても、胸の痛みが増していく。
自虐だ、こんなのは。
考えることを放棄したいのに、“どうして”という刃物が僕を何度も、何度も、容赦なく突き刺していく。



