「煙草はセッターでー、癖?って言っていいのかな。たまに火だけ点けて放置しちゃうね。あとは喧嘩がやけに強いとか、ああ見えて実は中学3年生だとか」
「えっ!?」
僕のひとつ上……!?
「あ、タダで教えちゃった。……まあいっか。お近づきのしるしー。ちなみにあたしは16歳だよ。学年でいうと高校2年生、かなっ」
「よっ」と腰を上げたクロは再び僕の前に立つ。
「しぃ君、今日は来ない日だろうから。暗くなる前に帰ったほうがいいよ」
「……どうして、その、わかるの?」
両手を後ろにまわすクロはきょとんとした表情を見せてから目を細め、口の両端を上げる。
そのとき初めて、ヘーゼルの瞳が闇に紛れる猫のそれに見えた。
「『クロ』はしがない情報屋なのです」
「――……」
「しぃ君は定期的に怪我をしてくる。きっとあと2日もすればこの街に戻ってくる。――以上、大出血サービスでした!」
またね、パーカーちゃん。
そう笑ったクロは身軽な体をひるがえし、立ち去った。
「……パーカーちゃんって」
パーカーは着ているし、名乗らなかったけど……。
複雑な思いからフードを被せた頭を掻き、溜め息が漏れる。
断片的な祠稀の情報。それらを口にした、しがない情報屋らしいクロという女の子。



