認めなくちゃ。悲しくても、つらくても。
いつだって優しくしてもらえるわけがない。
どんなときでも絶対に助けてもらえるはずがない。
望んだ分だけ、求めた以上に愛されることもない。
無償で与えられたものには、見返りが期待されている。
そんな世界で生きている僕は、独りで。
そんな世界を作り出していたのは、自分自身。
昨日と似たような今日を、過ごしてなんかいなかった。
今もこの涙の理由や、込み上げる感情の正体を知ろうとしてくれる人は、いないけれど。
次から次から溢れる涙を拭って。胸がつかえる苦しさも堪えて。祠稀に手を伸ばした僕は、知っている。
「助けるっ……祠稀、絶対に……助けるから……っ」
弱くて、臆病なことに変わりはなくても。
目に映る世界は冷たく、残酷なままだけど。
祠稀に初めて『頼む』って言われた僕がいる。
今この場で動けるのが僕しかいないのなら、自分にだけは負けちゃいけないんだ。
負けるな。怖くても、嗤われても。
祠稀を助けたければ、自分の弱さも、世界の弱さも、他人の弱さも、貪欲に呑み込んで糧にしてしまえ。
孤独も、悔しさも、不運も、あっていい。
だからこそ僕は、強くなれる。
そう信じてくれたのは祠稀、きみだから。
僕はこの状況さえ、未来への踏み台にしてみせるよ。