伝わるのかな、こんなことで。
僕は平気だから、祠稀も安心して。って伝わるかな。
「ありがとう祠稀。僕なんかのために、色んなことしてくれて……ありがとう」
表白しづらい表情を浮かべる祠稀に僕の眉は下がったけれど、口元は自然とほころんだ。
大人びていない、15歳そのものな祠稀を見られた気がしたから。
「――っうわ、なに……!?」
急にがしがしと乱雑に頭を撫でられ、被っていたフードの乱れを直す。と。
「礼を言われるようなことはしてねえんだよっ」
なんて言い放ち、祠稀は歩き出した。
照れた? わけ、ないか。本心なのかもしれない。それはそれで僕に不満が残るけど、やっぱり祠稀は――…。
「いいか!?」
「えっ、なにが!?」
ぐるんっと振り返った祠稀の勢いのよさに、ちょっと仰け反ってしまった。
「お前に言いてえことがもうひとつある」
「な、なに?」
「もう自分と俺を比べんじゃねえぞ。それで苦しく思うなら比較は他人にさせろっつーか、お前とつるんでる俺に失礼なんだよっ」
不意打ちの話題に面食らってしまった。
どういう意味だろう……僕の価値を自分で決めつけるなってこと? 遠まわしに、僕を励ましてるとか?