「え……?」
「うんうん。パーカーちゃんってば、ボケるの下手くそだよねぇ。情報料の徴収だよ」
ボケたわけじゃない。心底驚いたんだ。
まさかお金を取られるとは思わなくて……でも、なにに対して請求されたのかはわかっていて。
目の前で微笑むクロが本当に情報を売り物にしているのだと実感しても、後の祭りだった。
「ふふ。変なの。どうして驚くの? あたしときみは友達なんかじゃない。あたしはきみと世間話をしたんじゃないの。きみが、クロから、情報を買ったんだよ」
冗談じゃない、ってはぐらかすことはできたと思う。
だけど、そうさせない空気をクロが持っているように、僕は逃げきれない性質を持っていると自覚していた。
そうして僕は自分の底の浅さに気付かされる。
兆候はあった。警告も受けていた。
――威光について聞くってことは、踏み込むということだ。
「きみは自覚しなくちゃいけない。誰もきみを守る役目なんか担ってないんだよ。だからこそ夜に出歩くきみは声をかけられるし、見て見ぬふりをされる。きみがいる場所は、そういう場所」
わかってるよ。そんなことは、居心地が悪くなるほどに。



