杏莉は必死に呼んでるけど寺脇は全く気付いていない


「夕依ってばぁ!!」


「あっ、ごめん」


完璧に意識飛んでたな。


「寺脇さん、ちょっと良い?」


「良いけど…」


「杏莉、ちょっと話してくるから此処で待ってろ。」


絵を描く道具を持ってきてて正解だったな。


「うん。ちゃんと戻って来る?」


「杏莉を置いては行かねーよ。だから待ってろ」


俺は杏莉の頭を撫でてから教室を出た


「廊下だと声が響くから隣の教室でね」


そして、寺脇の案内でこれまた使われていない教室へと入った


「急に誘ってごめんな」


「良いの。あたしもちょっとお話したかったし。」


寺脇は換気をするために少し窓を開けた


そして、綺麗に整理されてる中から椅子だけを取り出して端っこの方へと行き座った