「杏莉、愛花に会えた?」


「うん。会えたよ。優斗君が会わせてくれた」


瑠夏さんの前では敬語は使わない


“堅苦しいから普通に話して良いよ”って言ってくれたんだ


他の人の前ではちゃんと敬語だけどね


瑠夏さんと2人で居るときだけは普通に話せる


「あの優斗がね…。あの子ぶっきらぼうだけど根は優しいのよ」


「でも、変な人。優しくなったり冷たくなったりあたふたしたり…」


「優斗も丈瑠が連れて来た1人なの」


「さっき、そんなこと言ってたよ」


瑠夏さんは施設内の誰も居ないベンチに腰掛ける


あたしもバランスをとりながら瑠夏さんの隣に行く


「身体、痛くない?」


「今は大丈夫。」


「そう。それなら良いんだけど…」


瑠夏さんはあたしの身体の心配をする