どんどん近付いていく2人の距離



その代わりに私と斗真くんの距離はひらくばかり



まるで今の私たちの位置関係を示しているように



私は遠くなる背中をただボンヤリと見送っていた



すると美桜ちゃんは、斗真くんの手前でつまずく




あ!?




━━━転ける!?



ドキンッ━━━━‥‥……


斗真くんの腕の隙間から美桜ちゃんが微笑みながらこちらを見ている



斗真くんはしっかりと美桜ちゃんをその腕の中に抱き止めていた



痛い


痛い


痛い



ただ胸が痛くて、もう見ていられなくて



後ろ足で教室に戻ると勢いよく扉を閉めていた