………寝てみた、と。


だから私が空き教室に入ったとき、純くんの存在に気づけなかったんだ。


「…………てゆーか純くん、いいかげん離してよ」


そろそろ私の心臓が。

 
「………やだよ。色葉が、俺のことバカとかゆーから」


「…………なにそれぇ~………そんなんで怒ってんの?」


子供みたい。………てゆーのは、あえて言わなかった。

 
「………違うけどさ。…本当は、色葉が葉って奴と、手ぇ繋いでんの見たときからイラついてたよ」


…………え………?


「………どーいう意味?」


「…………いーよもう。なんでもないですー」


ぶーって口尖らせて言われた。

 
はぁ………!?

いや、こっちの気が!収まらん!

てか、なんでそんなことで純くんがイラつくのさ。

………それが一番気になるよ。


「………じゃあ、私が質問していい?」


「…………何?」


う………さっきほどじゃないけど、体は未だに離してくれない。


ドキドキして、心臓が…………。