どんだけ逃げ足速いんだ、大和。

てゆーか、ここまで大和を逃げさせる私って………

尋常じゃない避けられっぷりに、なんだかショックが大きくなってくる。

こ、ここまで、大和は私と話したくなかったなんて。


…いや、もしかしたら、わかってるのかも。

私が話すこと、きっとわかってるんだ。

だから逃げて逃げて、私が呆れて諦めるのを待ってるんだ。

でも悪いけど、私だってそーはいかない。

大和にばかり嘘をつかせて誤魔化させて、そんなのは納得いかない。


彼が私のためにしてくれたことは、私が受け止めて、返さなきゃいけない。


…あ。

ふと横に目をやると、別館の渡り廊下に大和の姿が見えた。

…よーし。

気づかれないよう、そっと近づいてやろう。