「これ下さ〜い」

「はーい!百二十円です」

こーゆーのって、やっぱり大変だなぁ。

先生に言われた、『笑顔で受け答え』と『口調はハッキリと、声は大きく』。

しっかり出来てるかはわかんないけど、勉強になるなって、思った。

…私も将来、こうやってお店で働いたりとか、するんだろーか。

いや、しなきゃ生きていけないけど。

…想像、できないなぁ。


「おやおや、えらいねえ。高校生?」

優しい笑みを浮かべたおばあさんが、私達のスペースに来てくれた。

「あ、はい!商品も、文化部が作ったものです」

これとか、と言って、美海ちゃんが写真集やクッキーを指差す。

おばあさんは、ふふ、と穏やかに目を細めた。