確かに、軽い人だ。

ただ、たぶん、馬鹿なひとじゃない。

女の子をとっかえひっかえしてるけど。

けど、色葉が惚れるような、そんな魅力が彼にはあるのかもしれない。

…単純そうな、笑みじゃなかったから。

いろんな感情が入り混じってるような目で、あたしの頭を撫でた。

なにを考えていたんだろう。

なにを思っていたんだろう。

何故だかあたしまで複雑な気分になりながら、保健室の扉に手をかけた。


…もうひとりの、王子に会いに。