とってあげよーと思い、そっと手を伸ばすと。 …パシ。 「……え」 その手が、掴まれた。 「なにしてんのー」 いつの間にか開かれた片目と、目がぶつかる。 びっくりして、私は掴まれた手を上下に振った。 「お、起きてたのっ?」 すると純くんは、ニッコリと笑う。 「色葉が来たのに気づいたから、寝たふりしてたの」