見えたのは、空き教室に射し込む太陽の光。

私は、この空き教室の雰囲気が大好き。


通路から顔を出して、教室内を見回す。


「…………………」

純くん、いる…………?


私がいる通路からは、私がいつも寝る机ベッドは見えない。

だから、ここから純くんを探して見えなくても、おかしくはないんだけど………。

なんか、通路から出づらい。

ドキドキして、通路に座りこんで居たら。


「ー………来た?」


声に、思わず目を見開いた。

通路から、精一杯顔を出す。

声の主が、見えた。


「………あ、色葉!なにやってんの?そこで」


…………どうしよう。


純くんが、本物の王子様に見える。

制服なのに。

ここはお城じゃなくて、空き教室なのに。

目の前が、キラキラするよぉ…………。