「お母さん見過ぎ」


純くん若干後ずさってるよ。

まぁ、顔綺麗なのはわかるけど……

そこで、お兄ちゃんがリビングからでてきた。

玄関にいるお母さんたちと、目があう。


「あらぁ真人(まさと)!久しぶり!やっぱり帰ってたんじゃない。なかなか顔見せないから、まだ帰って来てないかと思ってたわよ」


「いやー、アルバム見てたら、つい夢中になってさ」

「は?アルバム?」

お兄ちゃんが手にしているのは、数年前のアルバム。

「さっき三人で見てたんだ」

そう。お兄ちゃんの思い出話の果ては、二階からわざわざアルバムを引っ張りだして、またも思い出話。


お母さん達が帰って来て、玄関のチャイムが鳴ったから、純くんと二人そそくさと、リビングから出て来た。

私達が玄関にいるときも、お兄ちゃんはひとりリビングで、アルバム見てたみたい。


………どれだけシスコンなの、お兄ちゃん………


ま、それは今にはじまったことじゃなし。