どうしようか躊躇っていると、 はやく と急かす。
隣を見れば、未空は頬を少し赤く染めてどうしようか悩んでいた。
心晴は恥ずかしいと思いつつも、未空の手を取り走る。
そして慧に勢いよく抱き着いた。
刹那、ぎゅうっと力強く抱きしめられる。
慧は心晴と未空の間に顔をうずくめた。
「俺、お前らの事大好きだよ。」
少しだけ、慧の肩が震えているような気がした。
「...慧?」
「大丈夫、どうにかなる。」
慧は自分に言い聞かせるようにぽつりとつぶやく。
こんなに弱弱しい彼を見たのは初めてかもしれない。
「慧、大丈夫だよ。」
しっかりとした声で、心晴は告げた。
「そうですよ、私たちもいますから!」
「...ああ、そうだな。」
抱きしめる力を緩めて、力なく言った。
心晴は ぽんぽん、と片手で慧の背中を叩く。
すると、彼は驚いたように目を見開き2人から離れた。
そして可笑しそうに声を抑えて笑う。
「何が可笑しいんだよ。」
「別に?...元気でた、ありがとな。」
2人の頭を撫でてから、慧は視線をあわせるように身をかがめた。
そして未空を引き寄せて、頬にキスをする。
「け、慧、お前何して、」
驚いていると心晴も引き寄せられ、頬に柔らかい感触が広がった。
突然の行為に2人は顔を真っ赤にする。
慧は2人を置いて、一足先に空地に入っていった。