そんな姫芽へまたもや近藤の優しい言葉が返ってくる。
「別に謝らなくていいんだよ。ここを我が家のように思ってくれていい」
だがそれは、求めているモノではなかった。
「ち、違っ・・・謝ってるんじゃなくて、住まないって言ってるの!!私は家へ帰る!!こんな訳わかんない時代、居れるわけないじゃない!!」
言って部屋を飛び出した。
襖は全開だったが、そこには集まった隊士たちが道を塞いで居た。
全力で押しのけ、転びそうになりながらも廊下へと出る。
履いてきた革靴はすぐ側にあった。
捕まる前にと、寸刻を争って靴に足を突っ込み、石を蹴って走り出した。
しんと重い空気だけが残る。
「訳わかんねー時代だってさ」
藤堂が胡坐を掻きなおし、誰に言うわけでもなく呟く。
そこに、土方の小さなため息がそこにいる全員の耳を起動させた。
「総司、追いかけろ」
「何で僕が・・・」
笑顔を崩さない沖田の言動が無駄だと通解し、「いいから行け!」と声を張り上げた。


