「GPSよ」



「え?何だって?じ、じーぴーえす?」



姫芽の一言に、土方だけでなくそこに居る全員が首を傾げる。




「私を人質にと考える悪い奴等が居るから、もしさらわれた時のために常に持たせられてるの。これがあれば、地球上どこに居ても父様たちに私の居場所が分かるの。でも・・・・」



突然表情を変え、言葉を止めた姫芽。



土方は「でも?」と急かすように言った。




「でも・・・起動していない。いつもはここが赤く光るの。こんなこと・・・一度も無かった。ここは江戸時代だから、電波がないっていうことなの!?」




普段は赤く染まっているはずの部分をじっと見つめながらそう声に出す。




だんだんと頭の中で現実に近づいていくことが恐ろしい。




「本当に、タイムスリップなの・・・?」




「まぁよく分からねえけど、それがお前の中で時代が変わったことになっているんじゃねえのか?」



土方の確信的な言葉に表情がいっそう固くなった。




「ならばこの娘、何処も行くあてが無いのではないか?」



今まで無言で話を聞いていた隊士が突然口を開いた。




「そういうことになるのかなあ?」